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505AC0000000032
令和五年法律第三十二号
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律
目次
第一章 総則
(第一条―第五条)
第二章 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略
(第六条)
第三章 脱炭素成長型経済構造移行債
(第七条―第十条)
第四章 化石燃料賦課金及び特定事業者負担金
第一節 化石燃料賦課金
(第十一条―第二十六条)
第二節 特定事業者負担金
(第二十七条―第三十一条)
第五章 脱炭素成長型投資事業者排出枠
第一節 脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当て等
(第三十二条―第五十七条)
第二節 登録確認機関
(第五十八条―第七十二条)
第三節 雑則
(第七十三条―第七十六条)
第六章 脱炭素成長型経済構造移行推進機構
第一節 総則
(第七十七条―第八十三条)
第二節 設立
(第八十四条―第八十九条)
第三節 運営委員会
(第九十条―第九十八条)
第四節 役員等
(第九十九条―第百十条)
第五節 業務
(第百十一条―第百二十条)
第六節 財務及び会計
(第百二十一条―第百三十条)
第七節 監督
(第百三十一条・第百三十二条)
第八節 雑則
(第百三十三条・第百三十四条)
第七章 雑則
(第百三十五条―第百四十条)
第八章 罰則
(第百四十一条―第百四十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
この法律は、世界的規模でエネルギーの脱炭素化に向けた取組等が進められる中で、我が国における脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を推進するため、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の策定、脱炭素成長型経済構造移行債の発行並びに化石燃料採取者等に対する賦課金の徴収及び特定事業者への排出枠の割当てに係る負担金の徴収について定めるとともに、脱炭素成長型投資事業者への排出枠の割当てに係る措置及び脱炭素成長型経済構造移行推進機構に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する支援等に関する業務を行わせるための措置を講じ、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条
この法律において「脱炭素成長型経済構造」とは、産業活動において使用するエネルギー及び原材料に係る二酸化炭素を原則として大気中に排出せずに産業競争力を強化することにより、経済成長を可能とする経済構造をいう。
2
この法律において「脱炭素成長型経済構造移行債」とは、第七条第一項の規定により政府が発行する公債をいう。
3
この法律において「原油等」とは、次に掲げるものをいう。
-
一
原油(関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)別表第二七〇九・〇〇号に掲げる石油及び歴青油をいう。)
-
二
石油製品(関税定率法別表第二七一〇・一二号、第二七一〇・一九号及び第二七一〇・二〇号に掲げる石油及び歴青油並びにこれらの調製品(外国から本邦に到着したものに限る。)をいう。)
-
三
ガス状炭化水素(関税定率法別表第二七・一一項に掲げる石油ガスその他のガス状炭化水素(採取されたもの又は外国から本邦に到着したものに限る。)をいう。)
-
四
石炭(関税定率法別表第二七・〇一項に掲げる石炭及び練炭、豆炭その他これらに類する固形燃料で石炭から製造したもの(採取されたもの又は外国から本邦に到着したものに限る。)をいう。)
4
この法律において「化石燃料採取者等」とは、原油等を採取し、又は保税地域(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。以下同じ。)から引き取る事業者をいう。
5
この法律において「特定事業者」とは、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十五号に規定する発電事業者のうち、その発電事業(同項第十四号に規定する発電事業をいう。第二十七条第一項において同じ。)に係る二酸化炭素の排出量が多い者として政令で定める者をいう。
6
この法律において「化石燃料賦課金」とは、第十一条第一項の規定により経済産業大臣が徴収する金銭をいい、「特定事業者負担金」とは、第二十八条第一項の規定により経済産業大臣が徴収する金銭をいう。
(基本理念)
第三条
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行は、エネルギー政策基本法(平成十四年法律第七十一号)第十二条第一項に規定するエネルギー基本計画、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第八条第一項に規定する地球温暖化対策計画その他のエネルギーの需給等に関する施策との整合性、中長期的なエネルギーに係る負担の抑制及び公正な移行の観点も踏まえつつ、国及び事業者の相互の密接な連携の下に、我が国経済の成長に資するものとなることを旨として、行われなければならない。
(国の責務)
第四条
国は、前条に定める基本理念にのっとり、事業者による脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資その他の事業活動が積極的に行われるよう、その技術及び事業に革新性があり中長期的に高い政策効果が見込まれる事業分野に政策資源を集中的に投入し、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業環境の整備を総合的かつ計画的に行う責務を有する。
(事業者の責務)
第五条
事業者は、第三条に定める基本理念にのっとり、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資その他の事業活動を積極的に行うよう努めなければならない。
第二章 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略
第六条
政府は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」という。)を定めなければならない。
2
脱炭素成長型経済構造移行推進戦略は、次に掲げる事項について定めるものとする。
-
一
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する目標
-
二
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する基本的方向
-
三
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に関する次に掲げる事項
イ
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に向けて高い政策効果を見込む事業分野に関する事項
ロ
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業環境の整備に関する事項
ハ
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進のための支援措置に関する事項
ニ
その他脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に関する重要事項
-
四
脱炭素成長型経済構造移行債の発行に関する事項
-
五
化石燃料賦課金の賦課に関する事項
-
六
特定事業者負担金の賦課に関する事項
-
七
脱炭素成長型経済構造移行推進機構が行う支援に関する事項
-
八
脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の達成状況の評価に関する事項
-
九
前各号に掲げるもののほか、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関し必要な事項
3
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の案を作成するときは、あらかじめ、財務大臣、環境大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。
5
経済産業大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を公表するものとする。
6
前三項の規定は、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の変更について準用する。
第三章 脱炭素成長型経済構造移行債
(脱炭素成長型経済構造移行債の発行)
第七条
政府は、令和五年度から令和十四年度までの各年度に限り、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項の規定にかかわらず、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に要する費用並びに租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四十二条の十二の六第六項及び第七項の規定による法人税に係る租税収入の減少額の補塡に要する費用の財源については、各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、エネルギー対策特別会計の負担において、公債を発行することができる。
2
前項に規定する費用の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。
3
脱炭素成長型経済構造移行債の発行は、各年度の翌年度の六月三十日までの間、行うことができる。
この場合において、翌年度の四月一日以後発行される脱炭素成長型経済構造移行債に係る収入は、当該各年度所属の歳入とする。
(脱炭素成長型経済構造移行債等の償還)
第八条
脱炭素成長型経済構造移行債及び当該脱炭素成長型経済構造移行債に係る借換国債(特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)第四十六条第一項又は第四十七条第一項の規定により起債される借換国債をいい、当該借換国債につきこれらの規定により順次起債された借換国債を含む。次項において同じ。)については、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の収入により、令和三十二年度までの間に償還するものとする。
2
化石燃料賦課金及び特定事業者負担金は、脱炭素成長型経済構造移行債及び当該脱炭素成長型経済構造移行債に係る借換国債(以下この項及び第十四条第二号イにおいて「脱炭素成長型経済構造移行債等」という。)を償還するまでの間、脱炭素成長型経済構造移行債等の償還金(借換国債を発行した場合においては、当該借換国債の収入をもって充てられる部分を除く。同号イにおいて同じ。)、利子並びに脱炭素成長型経済構造移行債等の発行及び償還に関連する経費として政令で定めるものに充てるものとする。
(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に係る歳入歳出の経理)
第九条
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策(特別会計に関する法律第八十五条第三項に規定するエネルギー需給構造高度化対策に関するものに限る。)、脱炭素成長型経済構造移行債の発行及び償還、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金並びに第四十条第二項(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)の規定により納付される負担金及び第四十一条第二項(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)に規定する未償却相当負担金に係る歳入歳出はエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定において経理するものとし、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策(同法第八十五条第五項に規定する電源利用対策に関するものに限る。)に係る歳入歳出は同特別会計の電源開発促進勘定において経理するものとし、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策(同条第八項に規定する先端半導体・人工知能関連技術対策に関するものに限る。)に係る歳入歳出は同特別会計の先端半導体・人工知能関連技術勘定において経理するものとする。
(特別会計に関する法律の適用)
第十条
第七条第一項の規定により脱炭素成長型経済構造移行債を発行する場合におけるエネルギー対策特別会計についての特別会計に関する法律第十六条の規定の適用については、同条中「融通証券」とあるのは、「公債及び融通証券」とする。
第四章 化石燃料賦課金及び特定事業者負担金
第一節 化石燃料賦課金
(化石燃料賦課金の徴収及び納付義務)
第十一条
経済産業大臣は、令和十年度から、一定の期間ごとに、化石燃料採取者等から、その採取場から移出し、又は保税地域から引き取る原油等に係る二酸化炭素の排出量(当該原油等の量に政令で定める原油等の区分に応じて原油等の単位当たりの二酸化炭素の排出量として政令で定める係数を乗じて得られる数値をいう。第十四条第一号ニにおいて同じ。)一トン当たりについて負担すべき額(同条において「化石燃料賦課金単価」という。)に、当該二酸化炭素の排出量を乗じて得た額を徴収する。
2
前項の原油等の区分を定める政令は、原油等の種類のほか、国内の産業活動における消費の有無その他の事情を考慮して定めるものとする。
3
化石燃料採取者等は、化石燃料賦課金を納付しなければならない。
(化石燃料賦課金の納付に係る移出とみなす場合等)
第十二条
原油等の採取場において原油等が消費される場合には、化石燃料採取者等がその消費の時に当該原油等をその採取場から移出したものとみなす。
ただし、その消費につき、当該化石燃料採取者等の責めに帰することができない場合には、その消費者を当該原油等の化石燃料採取者等とみなし、当該消費者が消費の時に当該原油等をその採取場から移出したものとみなして、この法律(第十六条から第十八条まで及びこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定を適用する。
2
保税地域において原油等が消費される場合には、その消費者が消費の時に化石燃料採取者等として当該原油等をその保税地域から引き取ったものとみなす。
3
原油等の採取場に現存する原油等が滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続、企業価値担保権の実行手続又は破産手続により換価される場合には、当該原油等に係る化石燃料採取者等がその換価の時に当該原油等をその採取場から移出したものとみなす。
4
原油等の採取をする化石燃料採取者等がその採取を廃止した場合において、原油等がその採取場に現存するときは、当該化石燃料採取者等がその採取を廃止した日に当該原油等を当該採取場から移出したものとみなす。
ただし、当該化石燃料採取者等が、政令で定めるところにより、経済産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
5
前項ただし書の承認があった場合には、その承認に係る原油等については、経済産業大臣の指定する期間、その採取場であった場所をなお原油等の採取場とみなす。
この場合において、当該期間を経過した日になお当該原油等がその場所に現存するときは、当該化石燃料採取者等がその日の前日に当該原油等を当該採取場から移出したものとみなす。
第十三条
原油等の採取をする化石燃料採取者等又は原油等の販売業者が、労務、資金その他原油等の採取に必要なものを供給して原油等の採取を委託する場合には、当該委託をした者(第十六条において「採取委託者」という。)が当該委託を受けた者(同条及び第百三十五条第一項において「採取受託者」という。)の採取した原油等で当該委託に係るものを採取したものとみなす。
2
原油等がその採取場から移出された場合において、その移出につき、当該原油等の採取場に係る化石燃料採取者等の責めに帰することができないときは、当該原油等を移出した者を当該原油等の化石燃料採取者等とみなして、この法律(第十六条から第十八条まで及びこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定を適用する。
(化石燃料賦課金単価)
第十四条
各年度の化石燃料賦課金単価は、第三号に掲げる額以上であって第一号に掲げる額を超えない範囲内(同号に掲げる額が第二号に掲げる額を超える場合にあっては、同号に掲げる額以上であって第一号に掲げる額を超えない範囲内)において、中長期的なエネルギーに係る負担の抑制の必要性及び第八条第一項の規定の趣旨を勘案して、政令で定める。
-
一
イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を控除して得た額を、ニに掲げる量で除して得た額
イ
令和四年度の石油石炭税の収入額の総額から当該年度に見込まれる石油石炭税の収入額の総額を控除して得た額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)
ロ
令和十四年度の納付金(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)第四十条第一項に規定する納付金をいう。以下この号及び第二十七条第二項において同じ。)の総額から当該年度に見込まれる納付金の総額を控除して得た額(当該年度が令和十三年度以前である場合又は当該額が零を下回る場合には、零とする。)
ハ
当該年度に見込まれる特定事業者負担金の総額
ニ
当該年度に見込まれる化石燃料採取者等がその採取場から移出し、又は保税地域から引き取る原油等に係る二酸化炭素の排出量の総量(次条の規定による減額又は還付を受けることが当該年度に見込まれる原油等にあっては、当該原油等に係る二酸化炭素の排出量に政令で定める率を乗じて得た量を除く。)
-
二
イに掲げる額をロに掲げる年数で除して得た額から前号ハに掲げる額を控除して得た額(次号において「特定事業者負担金控除後償還基準額」という。)を、前号ニに掲げる量で除して得た額
イ
当該年度の前年度までに発行した脱炭素成長型経済構造移行債の発行額から当該前年度までの化石燃料賦課金の総額及び特定事業者負担金の総額の合計額(脱炭素成長型経済構造移行債等の償還金に充てる部分に限る。)を控除して得た額
ロ
当該年度から令和三十二年度までの年数
-
三
当該年度の前年度の化石燃料賦課金の総額を特定事業者負担金控除後償還基準額で除して得た率を一から控除して得た率を、第一号に掲げる額に乗じて得た額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)
(化石燃料賦課金の減額等)
第十五条
経済産業大臣は、化石燃料採取者等が採取場から移出し、又は保税地域から引き取る原油等であって、エネルギーの需給等に関する施策との整合性、我が国の産業活動に与える影響等を考慮して政令で定めるものについては、政令で定めるところにより、第十一条第三項の規定により納付すべき又は既に納付された化石燃料賦課金を減額し、又は還付する。
(化石燃料採取者等の届出)
第十六条
化石燃料採取者等(採取受託者を含み、採取委託者を除く。次条において同じ。)は、原油等を採取し、又は保税地域から引き取ろうとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
-
一
氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
-
二
原油等の採取又は保税地域からの引取りを開始しようとする年月日
-
三
原油等の採取をする場合にあっては、原油等の採取場の名称及び所在地
-
四
採取受託者にあっては、当該採取受託者に原油等の採取の委託をした採取委託者に係る第一号に掲げる事項
第十七条
前条の規定による届出をした化石燃料採取者等は、その届出に係る同条各号に掲げる事項に変更があったとき、又はその届出に係る原油等の採取を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(化石燃料賦課金の納付等)
第十八条
化石燃料採取者等は、政令で定めるところにより、化石燃料賦課金の額その他の経済産業省令で定める事項を記載した申告書を、原油等の採取又は保税地域からの引取りをした日の属する月の翌月末日(原油等を保税地域から引き取る者であって化石燃料賦課金の納付が確実なものとして政令で定めるところにより経済産業大臣の承認を受けた者以外の者にあっては、その引取りの時)までに経済産業大臣に提出しなければならない。
2
前項の申告書を提出した化石燃料採取者等は、同項の申告に係る額の化石燃料賦課金を、同項の申告書の提出期限までに政府に納付しなければならない。
3
保税地域から原油等を引き取る化石燃料採取者等が前項の規定により納付した化石燃料賦課金の受領は、関税法第七十条第一項に規定する許可、承認等とみなす。
4
経済産業大臣は、化石燃料採取者等が第一項の申告書の提出期限までに同項の申告書を提出しないとき、又は同項の申告書に経済産業省令で定める事項の記載の誤りがあると認めたときは、化石燃料賦課金の額を決定し、これを当該化石燃料採取者等に通知する。
5
前項の規定による通知を受けた化石燃料採取者等は、化石燃料賦課金を納付していないときは同項の規定により経済産業大臣が決定した化石燃料賦課金の全額を、納付した化石燃料賦課金の額が同項の規定により経済産業大臣が決定した化石燃料賦課金の額に足りないときはその不足額を、それぞれその通知を受けた日から十五日以内に政府に納付しなければならない。
6
経済産業大臣は、化石燃料採取者等が納付した化石燃料賦課金の額が第四項の規定により経済産業大臣が決定した化石燃料賦課金の額を超えるときはその超える額について、未納の化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の徴収金がないときはこれを還付しなければならない。
(化石燃料賦課金の延納)
第十九条
経済産業大臣は、政令で定めるところにより、化石燃料採取者等の申請に基づき、その化石燃料採取者等の納付すべき化石燃料賦課金を延納させることができる。
この場合において、経済産業大臣は、当該化石燃料採取者等に対し、政令で定めるところにより、当該化石燃料賦課金の徴収を確保するため必要な範囲内で、保証金、証券その他の担保を提供させることができる。
2
保税地域から原油等を引き取る化石燃料採取者等がした前項の申請に対する経済産業大臣の承認は、関税法第七十条第一項に規定する許可、承認等とみなす。
(督促及び滞納処分)
第二十条
経済産業大臣は、化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金を納付しない化石燃料採取者等があるときは、期限を指定して督促しなければならない。
2
経済産業大臣は、前項の規定により督促するときは、納付義務者に対して督促状を発するものとする。
3
前項の督促状により指定する第一項の期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
4
経済産業大臣は、第一項の規定による督促を受けた化石燃料採取者等がその指定する期限までに化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金を完納しないときは、国税滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
(延滞金)
第二十一条
経済産業大臣は、前条第一項の規定により化石燃料賦課金の納付を督促したときは、その督促に係る化石燃料賦課金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。
ただし、督促に係る化石燃料賦課金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
2
前項の場合において、化石燃料賦課金の額の一部につき納付があったときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる化石燃料賦課金の額は、その納付のあった化石燃料賦課金の額を控除した金額とする。
3
延滞金の計算において、前二項の化石燃料賦課金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
4
前三項の規定によって計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5
延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。
ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
-
一
督促状に指定した期限までに化石燃料賦課金を完納したとき。
-
二
納付義務者の住所又は居所が分からないため、公示送達の方法によって督促したとき。
-
三
延滞金の額が百円未満であるとき。
-
四
化石燃料賦課金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
-
五
化石燃料賦課金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(先取特権の順位)
第二十二条
化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(徴収金の徴収手続)
第二十三条
化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金は、この節に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
(関係行政機関の協力)
第二十四条
経済産業大臣は、化石燃料賦課金の徴収を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、必要な資料又は情報の提供その他の協力を求めることができる。
(化石燃料賦課金の徴収に係る事務の委託)
第二十五条
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に、化石燃料賦課金その他この節の規定による徴収金の徴収に係る事務を行わせるものとする。
(政令への委任)
第二十六条
この節に定めるもののほか、化石燃料賦課金に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 特定事業者負担金
(特定事業者排出枠の割当て)
第二十七条
経済産業大臣は、令和十五年度から、特定事業者に対しては、特定事業者が行う発電事業に係る第三十二条第一項に規定する脱炭素成長型投資事業者排出枠(以下「特定事業者排出枠」という。)を有償又は無償で割り当てるものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定により特定事業者に有償で割り当てる特定事業者排出枠の量を定めるに当たっては、当該年度に見込まれる納付金の総額、当該年度に見込まれる次条第一項に規定する特定事業者負担金単価の水準、脱炭素成長型経済構造への移行の状況、エネルギーの需給に関する施策との整合性その他の事情を勘案するものとする。
(特定事業者負担金の徴収及び納付義務)
第二十八条
経済産業大臣は、令和十五年度から、一定の期間ごとに、特定事業者から、次条第一項の入札により決定される二酸化炭素の排出量一トン当たりについて負担すべき額(同条において「特定事業者負担金単価」という。)に、前条第一項の規定により特定事業者に有償で割り当てる特定事業者排出枠の量を乗じて得た額を徴収する。
2
特定事業者は、特定事業者負担金を納付しなければならない。
3
各年度の特定事業者負担金の総額は、第一号に掲げる額を超えない範囲内(同号に掲げる額が第二号に掲げる額を超える場合にあっては、同号に掲げる額以上であって第一号に掲げる額を超えない範囲内)において、中長期的なエネルギーに係る負担の抑制の必要性及び第八条第一項の規定の趣旨を勘案して定めなければならない。
-
一
第十四条第一号ロに掲げる額
-
二
第十四条第二号イに掲げる額を同号ロに掲げる年数で除して得た額から同条第一号イに掲げる額を控除して得た額
(特定事業者排出枠の割当てに係る入札)
第二十九条
経済産業大臣は、第二十七条第一項の規定により有償で行う特定事業者排出枠の割当てについて、当該割当てに係る割当先及び特定事業者負担金単価を入札により決定する。
2
経済産業大臣は、前項の入札の実施に当たっては、あらかじめ、その実施に関する指針を定めるものとする。
3
前項の指針には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する特定事業者の投資その他の事業活動を誘導する特定事業者負担金単価の水準、二酸化炭素の排出に係る国内外の経済動向その他の事情を勘案して、特定事業者負担金単価の額の範囲を定めるものとする。
(特定事業者排出枠の割当て等に関する業務等の委託)
第三十条
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に、前条第一項に規定する割当て及び同項の入札の実施に関する業務並びに特定事業者負担金の徴収に係る事務を行わせるものとする。
(その他特定事業者排出枠に関し必要な事項等)
第三十一条
この節に定めるもののほか、第二十九条第二項の指針に基づく入札の実施による特定事業者排出枠の効果的な割当てに関する事項その他特定事業者排出枠に関し必要な事項は、別に法律で定める。
2
この節に定めるもののほか、特定事業者負担金の確実な徴収の実施に関する事項その他特定事業者負担金に関し必要な事項及び化石燃料賦課金の賦課と特定事業者負担金の賦課との適切な調整に関する事項は、別に法律で定める。
第五章 脱炭素成長型投資事業者排出枠
第一節 脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当て等
(実施指針)
第三十二条
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資を行おうとする事業者に対する脱炭素成長型投資事業者排出枠(事業者の生産、輸送その他の事業活動に伴う二酸化炭素の排出の量(以下「二酸化炭素の排出量」という。)に相当する枠であって、二酸化炭素一トンを表す単位により表記されるものをいう。以下同じ。)の割当ての実施に関する指針(以下この条及び第三十四条第一項において「実施指針」という。)を定めるものとする。
2
実施指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。
-
一
脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当てに関する基本的事項
-
二
脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当てに当たって二酸化炭素の排出量の削減を評価する手法に関する事項
-
三
排出目標量(二酸化炭素の排出量の目標をいう。次条及び第三十四条第一項において同じ。)の設定及び排出実績量(二酸化炭素の排出量の実績をいう。以下同じ。)の算定に係る適正な計量の実施その他これらの設定及び算定の方法に関する事項
-
四
脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当てを通じて促進する投資に関する次に掲げる事項
イ
重点的に投資を促進する主務省令で定める事業分野に関する事項
ロ
イに定める事業分野に属する事業活動のうち、投資の促進を通じて二酸化炭素の排出量を削減することが当該事業分野の産業競争力の強化にとって特に効果的であると認められるものとして主務省令で定める事業活動に関する事項
ハ
新たな投資に資する研究及び技術開発に関する事項
ニ
投資に係る指標、基準等の策定その他の投資環境の整備に関する事項
-
五
脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当てに当たって勘案すべき次に掲げる事項
イ
事業分野ごとの国際競争力の維持又は向上に関する事項
ロ
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に資する研究及び技術開発に関する事項
3
前項第二号に掲げる事項を定めるに当たっては、同項第四号イに定める事業分野間の均衡に配慮するとともに、同号ロに掲げる事項を定めるに当たっては、同項第二号の二酸化炭素の排出量の削減を評価する手法として原単位(生産量、輸送量その他の事業活動の規模を示す指標の単位当たりの当該事業活動に伴う二酸化炭素の排出量をいう。)の改善率を用いることを考慮しなければならない。
4
経済産業大臣は、経済事情の変動その他の情勢の推移により必要が生じたときは、実施指針を変更するものとする。
5
経済産業大臣は、実施指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、第二項第二号並びに第四号イ及びロに掲げる事項についてはその所掌に係る事業の発達、改善及び調整の観点から同号イに定める事業分野に属する事業活動に係る事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)に、同項第三号に掲げる事項(排出実績量に係る部分に限る。)については環境大臣に、それぞれ協議するとともに、産業構造審議会の意見を聴かなければならない。
ただし、経済産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
6
経済産業大臣は、実施指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
(届出)
第三十三条
その行う事業活動に伴う二酸化炭素の年度平均排出量(政令で定めるところにより算定される当該年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の前三年度中の各年度ごとの二酸化炭素の排出量を平均した量をいう。第三号において同じ。)が政令で定める量以上である事業者は、毎年度、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
-
一
名称、代表者の氏名及び本店等(本店又は主たる事務所をいう。以下同じ。)の所在地(その者が個人である場合にあっては、氏名及び住所。以下同じ。)
-
二
その属する事業分野及び当該事業活動の内容
-
三
二酸化炭素の年度平均排出量
-
四
当該年度における排出目標量及びその設定の基礎となる事項
-
五
その他経済産業省令で定める事項
2
前項の規定による届出をしようとする事業者は、当該届出に係る排出目標量が政令で定める方法により適切に設定されていることについて、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、第六十条第一項の規定により経済産業大臣の登録を受けた者(以下「登録確認機関」という。)の確認を受けなければならない。
3
第一項の規定による届出には、登録確認機関が前項の規定により行った確認の結果を記載した報告書を添付しなければならない。
4
第一項の規定による届出をしようとする事業者が発行済株式の全部を有する株式会社その他の当該事業者と密接な関係を有する者として経済産業省令で定める事業者(以下この項において「密接関係者」という。)と一体的に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資を行うときは、当該密接関係者と共同して当該届出をすることができる。
この場合において、当該届出に係る密接関係者の二酸化炭素の排出量は当該届出をする事業者の二酸化炭素の排出量とみなして、この条から第三十六条まで及び第七十三条の規定を適用する。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当て)
第三十四条
経済産業大臣は、前条第一項の規定による届出の内容が実施指針に照らして適切なものであると認めるときは、当該届出をした事業者(以下「脱炭素成長型投資事業者」という。)に対し、当該届出に係る排出目標量を基礎として、第三十二条第二項第五号に掲げる事項を勘案して、脱炭素成長型投資事業者排出枠を無償で割り当てるものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定による割当てに際し、その割当てに係る年度(以下「割当年度」という。)より前の年度において脱炭素成長型投資事業者が行った前条第一項の規定による届出について、その基礎となる事実に変更があったと認められる場合には、政令で定める方法により、当該割当てを行う脱炭素成長型投資事業者排出枠の量について調整をすることができる。
3
第一項の規定による割当ては、法人等保有口座(第四十五条第一項第一号に規定する法人等保有口座をいう。第三十六条第三項及び第三十七条において同じ。)に脱炭素成長型投資事業者排出枠の増加の記録をすることにより行うものとする。
4
経済産業大臣は、前項の規定により脱炭素成長型投資事業者排出枠の増加の記録をしたときは、その旨を当該脱炭素成長型投資事業者に通知するものとする。
5
経済産業大臣は、第一項の規定による割当てをしようとするときは、あらかじめ、当該割当てに係る脱炭素成長型投資事業者が行う事業活動に係る事業所管大臣に協議しなければならない。
(排出実績量の報告等)
第三十五条
脱炭素成長型投資事業者は、経済産業省令で定めるところにより、割当年度の翌年度において、割当年度における排出実績量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣、環境大臣及び当該脱炭素成長型投資事業者が行う事業活動に係る事業所管大臣に報告しなければならない。
2
脱炭素成長型投資事業者は、前項の規定による報告に係る排出実績量が政令で定める方法により適切に算定されていることについて、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、登録確認機関の確認を受けなければならない。
3
第三十三条第三項の規定は、第一項の規定による報告について準用する。
4
経済産業大臣は、第一項の経済産業省令を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の量の通知及び保有義務)
第三十六条
経済産業大臣は、前条第一項の規定による報告をした脱炭素成長型投資事業者に、排出実績量に相当する脱炭素成長型投資事業者排出枠の量を通知するものとする。
2
経済産業大臣は、前条第一項の規定による報告の内容が不適切であると認める場合その他必要があると認める場合には、その調査に基づき、次項の規定によりあらかじめ保有しなければならない脱炭素成長型投資事業者排出枠の量を決定し、当該脱炭素成長型投資事業者に通知するものとする。
3
脱炭素成長型投資事業者は、第一項又は前項の規定により通知された量の脱炭素成長型投資事業者排出枠を、割当年度の翌年度の一月三十一日に、その法人等保有口座において保有しなければならない。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の償却)
第三十七条
経済産業大臣は、前条第三項に規定する日に、同項に規定する量の脱炭素成長型投資事業者排出枠について償却(第四十五条第一項の排出枠口座簿において、脱炭素成長型投資事業者がその法人等保有口座において保有する脱炭素成長型投資事業者排出枠の量の範囲内で、脱炭素成長型投資事業者排出枠についての減少の記録をすることにより、当該脱炭素成長型投資事業者排出枠を消滅させることをいう。以下同じ。)をするものとする。
2
前項の償却を受けた脱炭素成長型投資事業者排出枠は、当該償却によりその法人等保有口座において減少の記録を受けた第四十七条第一項に規定する法人等保有口座名義人が前条第三項に規定する日に保有していたものとみなす。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引)
第三十八条
脱炭素成長型投資事業者排出枠は、脱炭素成長型投資事業者排出枠を保有する者の間で取引の対象とすることができる。
2
脱炭素成長型投資事業者排出枠は、投機的取引の対象とされてはならない。
(参考上限取引価格)
第三十九条
経済産業大臣は、毎年度、当該年度の開始前に、我が国の産業又は国民生活に与える影響、脱炭素成長型経済構造への移行の状況、エネルギーの需給に関する施策との整合性その他の事情を勘案して、二酸化炭素の排出量一トンに相当する脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引価格についてその上限の算定の基礎となる価格(以下「参考上限取引価格」という。)を定めるものとする。
2
経済産業大臣は、脱炭素成長型投資事業者の脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資の状況、第百十一条第一項第六号イに規定する排出枠取引市場における脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引の状況その他の事情を勘案し、必要があると認めるときは、前項の規定により定める参考上限取引価格のほかに、当該年度の翌年度以降に同項の規定により定めるべき参考上限取引価格を当該年度に併せて定めることができる。
3
経済産業大臣は、エネルギーの需給を取り巻く環境、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、参考上限取引価格を改定することができる。
4
経済産業大臣は、参考上限取引価格を定め、又は改定しようとするときは、あらかじめ、産業構造審議会の意見を聴かなければならない。
5
経済産業大臣は、参考上限取引価格を定め、又は改定したときは、遅滞なく、これを告示するものとする。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠を保有しているものとみなす場合)
第四十条
経済産業大臣は、脱炭素成長型投資事業者が一定期間以上継続して脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引を行うことが困難であり、又は困難となるおそれがある場合として政令で定める場合において、脱炭素成長型投資事業者排出枠の償却に支障を生ずることが明らかであり、次項の規定による措置を講ずる必要があると認めるときは、その旨を告示するものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定による告示をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、脱炭素成長型投資事業者が、当該年度における第三十六条第一項又は第二項の規定により通知された脱炭素成長型投資事業者排出枠の量が第三十四条第一項の規定により割り当てられた脱炭素成長型投資事業者排出枠の量を上回る量を限度として、次項の規定の適用を受けようとする脱炭素成長型投資事業者排出枠の量に参考上限取引価格を乗じて得た額の負担金を政府に納付することを認めるものとする。
3
経済産業大臣は、償却をする場合において、前項の規定による納付があったときは、当該脱炭素成長型投資事業者が、その納付した額を参考上限取引価格で除して得た量の脱炭素成長型投資事業者排出枠を保有しているものとみなす。
4
経済産業大臣は、第二項の規定による措置を講ずる必要がなくなったと認めるときは、遅滞なく、同項の規定により納付することができないものとし、その旨を告示するものとする。
(未償却相当負担金の徴収及び納付義務)
第四十一条
経済産業大臣は、割当年度の翌年度の二月一日以後に、当該割当年度における第三十六条第一項又は第二項の規定により通知された量の脱炭素成長型投資事業者排出枠の償却を受けていない脱炭素成長型投資事業者から、当該量の脱炭素成長型投資事業者排出枠のうちその償却をしていない量に参考上限取引価格を乗じて得た額に一・一を乗じて得た額を徴収する。
2
脱炭素成長型投資事業者は、未償却相当負担金(前項の規定により経済産業大臣が徴収する金銭をいう。以下同じ。)を納付しなければならない。
(未償却相当負担金の額の決定、通知等)
第四十二条
経済産業大臣は、前条第一項の脱炭素成長型投資事業者が納付すべき未償却相当負担金の額を決定し、当該脱炭素成長型投資事業者に対し、その者が納付すべき未償却相当負担金の額及び納付期限その他必要な事項を通知しなければならない。
(準用)
第四十三条
第二十条から第二十四条までの規定は、未償却相当負担金について準用する。
(合併、分割及び事業の譲渡)
第四十四条
脱炭素成長型投資事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときは、当該合併がその効力を生ずる日の属する割当年度においては、合併後存続し、又は合併により設立された法人(当該法人が脱炭素成長型投資事業者である場合を除く。)を脱炭素成長型投資事業者とみなして、第三十五条からこの条まで及び第六十六条第二項並びに第三節の規定を適用する。
この場合において、第三十五条第一項及び第三十六条第一項中「排出実績量」とあるのは、「排出実績量(第四十四条第一項に規定する合併により消滅した法人の事業活動及び同項の規定により脱炭素成長型投資事業者とみなされる法人が当該合併により承継した事業活動に伴うものに限る。)」とする。
2
脱炭素成長型投資事業者が法人である場合において、当該法人が事業の全部若しくは一部を譲渡し、又は当該法人(会社である場合に限る。)が分割により事業の全部若しくは一部を承継させたときは、当該事業譲渡又は分割がその効力を生ずる日の属する割当年度においては、当該事業の全部若しくは一部を譲り受け、又は分割により当該事業の全部若しくは一部を承継した法人(当該法人が脱炭素成長型投資事業者である場合を除く。)を脱炭素成長型投資事業者とみなして、第三十五条からこの条まで及び第六十六条第二項並びに第三節の規定を適用する。
この場合において、第三十五条第一項及び第三十六条第一項中「排出実績量」とあるのは、「排出実績量(第四十四条第二項に規定する事業譲渡又は分割がその効力を生ずる日以降における当該事業譲渡又は分割に係る事業活動に伴うものに限る。)」とする。
(排出枠口座簿の作成等)
第四十五条
経済産業大臣は、排出枠口座簿を作成し、脱炭素成長型投資事業者排出枠の取得、保有及び移転(以下「排出枠の管理」という。)のため、次に掲げる口座を開設するものとする。
-
一
法人等保有口座(内国法人等(国内に本店等を有する法人及び脱炭素成長型投資事業者である個人をいう。第四十八条第一項及び第二項において同じ。)が自己のために排出枠の管理を行うための口座をいう。以下同じ。)
-
二
機構取引口座(脱炭素成長型経済構造移行推進機構(以下この章において「機構」という。)が第百十三条第三項第一号に規定する売買取引を行うことができる者のために脱炭素成長型投資事業者排出枠の取得及び移転(以下「振替」という。)を行うための口座をいう。第五十条第三項第二号及び第四項において同じ。)
2
排出枠口座簿は、その全部を電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第六十六条において同じ。)をもって調製するものとする。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の帰属)
第四十六条
脱炭素成長型投資事業者排出枠の帰属は、この節の規定による排出枠口座簿の記録により定まるものとする。
(法人等保有口座の記録事項)
第四十七条
法人等保有口座は、当該法人等保有口座の名義人(当該法人等保有口座の開設を受けた者をいう。以下「法人等保有口座名義人」という。)ごとに区分する。
2
法人等保有口座には、次に掲げる事項を記録する。
-
一
口座番号
-
二
法人等保有口座名義人の名称、代表者の氏名及び本店等の所在地その他経済産業省令で定める事項
-
三
当該法人等保有口座名義人が保有する脱炭素成長型投資事業者排出枠の数量及び識別番号(脱炭素成長型投資事業者排出枠を識別するために経済産業大臣により付された文字及び数字をいう。)
-
四
その他政令で定める事項
(法人等保有口座の開設)
第四十八条
排出枠の管理を行おうとする内国法人等は、排出枠口座簿に、経済産業大臣による法人等保有口座の開設を受けなければならない。
2
法人等保有口座は、排出枠の管理を行おうとする一の内国法人等につき一に限り開設を受けることができるものとする。
3
第一項の規定による法人等保有口座の開設を受けようとする者は、その名称、代表者の氏名及び本店等の所在地その他経済産業省令で定める事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
4
前項の申請書には、定款、登記事項証明書その他の経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
5
経済産業大臣は、第三項の規定による申請書の提出を受けたときは、当該申請書又はその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるときを除き、遅滞なく、法人等保有口座を開設しなければならない。
6
経済産業大臣は、前項の規定により法人等保有口座を開設したときは、遅滞なく、当該法人等保有口座において排出枠の管理を行うために必要な事項をその法人等保有口座名義人に通知しなければならない。
(変更の届出)
第四十九条
法人等保有口座名義人は、その名称、代表者の氏名及び本店等の所在地その他前条第三項の経済産業省令で定める事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2
前項の規定による届出があった場合には、経済産業大臣は、遅滞なく、当該記録を変更するものとする。
3
前条第六項の規定は、前項の規定による記録の変更について準用する。
(振替手続)
第五十条
脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替は、この条に定めるところにより、経済産業大臣が、排出枠口座簿において、当該脱炭素成長型投資事業者排出枠についての減少又は増加の記録をすることにより行うものとする。
2
脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替の申請は、振替によりその口座において減少の記録がされる法人等保有口座名義人又は機構が、経済産業大臣に対して電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって経済産業省令で定めるものをいう。第六十六条第二項第四号において同じ。)により行うものとする。
3
前項の申請をする法人等保有口座名義人又は機構は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。
-
一
当該振替において減少及び増加の記録がされるべき脱炭素成長型投資事業者排出枠の数量
-
二
当該振替により増加の記録がされるべき法人等保有口座又は機構取引口座
4
第二項の申請があった場合には、経済産業省令で定める場合を除き、経済産業大臣は、遅滞なく、次に掲げる措置をとらなければならない。
-
一
第二項の申請を行った者の法人等保有口座又は機構取引口座の前項第一号の脱炭素成長型投資事業者排出枠についての減少の記録
-
二
前項第二号の法人等保有口座又は機構取引口座の同項第一号の脱炭素成長型投資事業者排出枠についての増加の記録
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の譲渡の効力発生要件)
第五十一条
脱炭素成長型投資事業者排出枠の譲渡は、前条の規定による振替により、譲受人がその口座に当該譲渡に係る脱炭素成長型投資事業者排出枠の増加の記録を受けなければ、その効力を生じない。
(保有の推定)
第五十二条
法人等保有口座名義人は、その法人等保有口座における記録がされた脱炭素成長型投資事業者排出枠を適法に保有するものと推定する。
2
前項の規定は、機構について準用する。
この場合において、同項中「法人等保有口座に」とあるのは、「機構取引口座に」と読み替えるものとする。
(振替の請求)
第五十三条
排出枠口座簿に脱炭素成長型投資事業者排出枠の記録を受ける権利を有する者は、その法人等保有口座において当該脱炭素成長型投資事業者排出枠の記録を受けた法人等保有口座名義人に対し、当該脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替を請求することができる。
(善意取得)
第五十四条
第五十条の規定による振替によりその口座において脱炭素成長型投資事業者排出枠の増加の記録を受けた法人等保有口座名義人又は機構は、当該脱炭素成長型投資事業者排出枠を取得する。
ただし、法人等保有口座名義人又は機構に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
(排出枠口座簿に記録されている事項の証明の請求)
第五十五条
法人等保有口座名義人は、経済産業大臣に対し、排出枠口座簿の自己の法人等保有口座に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる。
(職権による記録の訂正等)
第五十六条
経済産業大臣は、第四十七条第二項各号に掲げる事項の記録について、次に掲げる場合には、当該記録の訂正又は回復(以下「訂正等」という。)をしなければならない。
ただし、記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。
-
一
脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替の申請及び償却の内容と異なる内容の記録がされているとき。
-
二
脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替の申請及び償却がなければすることのできない記録が、当該申請及び償却がないのにされているとき。
-
三
当該記録の全部又は一部が滅失したとき。
2
経済産業大臣が前項の規定により記録の訂正等をしたときは、その内容を法人等保有口座名義人に通知しなければならない。
(政令及び経済産業省令への委任)
第五十七条
この節に規定するもののほか、脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当て及び未償却相当負担金に関し必要な事項は政令で、排出枠口座簿における口座の開設及び排出枠の管理その他この節の規定の施行に関し必要な事項は経済産業省令で定める。
第二節 登録確認機関
(登録)
第五十八条
第三十三条第二項の登録(以下単に「登録」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、同項及び第三十五条第二項の規定による確認の業務(以下「確認業務」という。)を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第五十九条
次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
-
一
この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
-
二
第六十九条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
-
三
法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
(登録の基準)
第六十条
経済産業大臣は、第五十八条の規定により登録を申請した者が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、登録をしなければならない。
この場合において、登録に関して必要な手続は、経済産業省令で定める。
-
一
国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた適合性の確認(事業活動を構成する生産工程その他の要素に関し作成された報告書の内容がその適合すべき基準又は要件に照らして適正なものであることについて確認することをいう。)を行う機関に関する基準又はこれに類する基準として経済産業省令で定める基準に適合すると認められるものであること。
-
二
確認業務を適確に行うために必要な知識及び技能を有する者として経済産業省令で定めるものが確認を行うこと。
-
三
確認業務を適確かつ円滑に実施するのに十分な経理的基礎を有するものであること。
-
四
確認業務の公正な実施を確保するために必要なものとして経済産業省令で定める基準に適合する体制が整備されていること。
2
登録は、確認機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
-
一
登録年月日及び登録番号
-
二
登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
-
三
登録を受けた者が確認業務を行う事業所の所在地
-
四
前三号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
3
経済産業大臣は、第一項第一号、第二号及び第四号の経済産業省令を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。
(登録の更新)
第六十一条
登録は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2
前三条の規定は、前項の登録の更新に準用する。
(確認の義務)
第六十二条
登録確認機関は、確認業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、確認業務を行わなければならない。
2
登録確認機関は、公正に、かつ、経済産業省令で定める方法により確認業務を行わなければならない。
3
登録確認機関は、確認業務を行うときは、第六十条第一項第二号に規定する者に確認業務を実施させなければならない。
4
経済産業大臣は、第二項の経済産業省令を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。
(変更の届出)
第六十三条
登録確認機関は、第六十条第二項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、経済産業大臣に届け出なければならない。
(業務規程)
第六十四条
登録確認機関は、確認業務に関する規程(以下この条において「業務規程」という。)を定め、確認業務の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
2
業務規程には、確認業務の実施方法、確認業務に関する料金の算定方法その他の経済産業省令で定める事項を定めておかなければならない。
3
経済産業大臣は、第一項の規定による届出のあった業務規程が確認業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第六十五条
登録確認機関は、確認業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(財務諸表等の備置き及び閲覧等)
第六十六条
登録確認機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらのものが電磁的記録で作成され、又はその作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第百四十八条第二号において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。
2
脱炭素成長型投資事業者その他の利害関係人は、登録確認機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録確認機関の定めた費用を支払わなければならない。
-
一
財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
-
二
前号の書面の謄本又は抄本の請求
-
三
財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を経済産業省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
-
四
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって経済産業省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(適合命令)
第六十七条
経済産業大臣は、登録確認機関が第六十条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録確認機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第六十八条
経済産業大臣は、登録確認機関が第六十二条第一項から第三項までの規定に違反していると認めるときは、その登録確認機関に対し、確認業務を行うべきこと又は確認業務の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第六十九条
経済産業大臣は、登録確認機関が次の各号のいずれかに該当するときは、登録を取り消し、又は期間を定めて確認業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
-
一
第六十二条第一項から第三項まで、第六十三条、第六十四条第一項、第六十五条、第六十六条第一項又は次条の規定に違反したとき。
-
二
第五十九条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
-
三
正当な理由がないのに第六十六条第二項の規定による請求を拒んだとき。
-
四
第六十四条第三項又は前二条の規定による命令に違反したとき。
-
五
不正の手段により登録を受けたとき。
(帳簿の記載)
第七十条
登録確認機関は、帳簿を備え、確認業務に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
2
前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。
(経済産業大臣による確認業務の実施)
第七十一条
経済産業大臣は、登録を受ける者がいないとき、第六十五条の規定による確認業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第六十九条の規定により登録を取り消し、又は登録確認機関に対し確認業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録確認機関が天災その他の事由により確認業務の全部又は一部を実施することが困難となったときその他必要があると認めるときは、当該確認業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
2
経済産業大臣が前項の規定により確認業務の全部又は一部を自ら行う場合における確認業務の引継ぎその他の必要な事項については、経済産業省令で定める。
(公示)
第七十二条
経済産業大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
-
一
登録をしたとき。
-
二
第六十三条又は第六十五条の規定による届出があったとき。
-
三
第六十九条の規定により登録を取り消し、又は確認業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
-
四
前条第一項の規定により経済産業大臣が確認業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた確認業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
第三節 雑則
(移行計画)
第七十三条
脱炭素成長型投資事業者は、毎年度、主務省令で定める基準に従い、その事業活動に伴う二酸化炭素の排出量の削減に関する目標その他脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資その他の事業活動に関する計画(次項及び第百四十八条第三号において「移行計画」という。)を作成し、経済産業大臣及び当該脱炭素成長型投資事業者が行う事業活動に係る事業所管大臣に提出しなければならない。
2
経済産業大臣及び当該脱炭素成長型投資事業者が行う事業活動に係る事業所管大臣は、移行計画について、主務省令で定めるところにより、公表するものとする。
(法人等保有口座の開設等に関する業務等の委託)
第七十四条
経済産業大臣は、機構に、第四十八条第五項の規定による法人等保有口座の開設、第四十九条第二項の規定による記録の変更、第五十条第一項の規定による振替及び第五十五条の規定による書面の交付に関する業務並びに第三十四条第一項の規定による割当て、第三十六条第一項及び第二項の規定による通知、第三十七条第一項に規定する償却、第四十三条において準用する第二十条、第二十一条及び第二十三条の規定による未償却相当負担金及び延滞金の徴収並びに第五十六条第一項に規定する訂正等に係る事務を行わせるものとする。
(手数料)
第七十五条
第七十一条第一項の規定により経済産業大臣が行う第三十三条第二項及び第三十五条第二項の規定による確認を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
2
次に掲げる者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を機構に納付しなければならない。
-
一
脱炭素成長型投資事業者以外の者であって、第四十八条第一項の法人等保有口座の開設を受けようとする者
-
二
機構以外の者であって、第五十条第二項の振替の申請(法人等保有口座への振替の申請に限る。)をする者
-
三
第五十五条の書面の交付を請求する者
3
前項の規定により機構に納付された手数料は、機構の収入とする。
(条例との関係)
第七十六条
この法律の規定は、地方公共団体が脱炭素成長型投資事業者に対し、次に掲げる事項に関し条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。
-
一
事業活動に伴う二酸化炭素の排出量の実績の報告に関する事項
-
二
事業活動に伴う他人から供給された電気又は熱を使用する場合における当該電気又は熱の供給に係る二酸化炭素の排出に関する事項
第六章 脱炭素成長型経済構造移行推進機構
第一節 総則
(機構の目的)
第七十七条
脱炭素成長型経済構造移行推進機構(以下「機構」という。)は、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の徴収に係る事務、特定事業者排出枠の割当て及び入札の実施に関する業務、脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当てに係る事務、脱炭素成長型投資事業者に対する脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引の機会の提供、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する債務保証その他の支援等を行うことにより、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を推進することを目的とする。
(法人格)
第七十八条
機構は、法人とする。
(数)
第七十九条
機構は、一を限り、設立されるものとする。
(資本金)
第八十条
機構の資本金は、その設立に際し、政府及び政府以外の者が出資する額の合計額とする。
2
機構は、必要があるときは、経済産業大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3
政府は、第百十一条第一項第八号イからハまでに掲げる業務に必要な資金に充てるため必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
この場合において、政府は、これらの業務のそれぞれについて充てるべき金額を示すものとする。
4
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
(名称)
第八十一条
機構は、その名称中に脱炭素成長型経済構造移行推進機構という文字を用いなければならない。
2
機構でない者は、その名称中に脱炭素成長型経済構造移行推進機構という文字を用いてはならない。
(登記)
第八十二条
機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2
前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)
第八十三条
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、機構について準用する。
第二節 設立
(発起人)
第八十四条
機構を設立するには、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関して専門的な知識と経験を有する者三人以上が発起人になることを必要とする。
(定款の作成等)
第八十五条
発起人は、速やかに、機構の定款を作成し、政府以外の者に対し機構に対する出資を募集しなければならない。
2
前項の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
-
一
目的
-
二
名称
-
三
事務所の所在地
-
四
資本金及び出資に関する事項
-
五
運営委員会に関する事項
-
六
役員に関する事項
-
七
業務及びその執行に関する事項
-
八
財務及び会計に関する事項
-
九
定款の変更に関する事項
-
十
公告の方法
(設立の認可)
第八十六条
発起人は、前条第一項の募集が終わったときは、速やかに、定款及び事業計画書を経済産業大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
2
前項の事業計画書に記載すべき事項は、経済産業省令で定める。
(認可の基準)
第八十七条
経済産業大臣は、前条第一項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
-
一
設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令に適合していること。
-
二
定款及び事業計画書に虚偽の記載がないこと。
-
三
役員のうちに第百三条各号のいずれかに該当する者がいないこと。
-
四
業務の運営が公正かつ適正に行われることが確実であると認められること。
-
五
当該申請に係る機構の組織がこの法律の規定に適合するものであること。
(事務の引継ぎ)
第八十八条
設立の認可があったときは、発起人は、遅滞なく、その事務を機構の理事長となるべき者に引き継がなければならない。
2
機構の理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
(設立の登記)
第八十九条
機構の理事長となるべき者は、前条第二項の規定による出資金の払込みがあったときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2
機構は、設立の登記をすることにより成立する。
第三節 運営委員会
(設置)
第九十条
機構に、運営委員会を置く。
(権限)
第九十一条
次に掲げる事項は、運営委員会の議決を経なければならない。
-
一
定款の変更
-
二
業務方法書の作成又は変更
-
三
予算、事業計画及び資金計画の作成又は変更
-
四
決算
-
五
その他運営委員会が特に必要と認める事項
(組織)
第九十二条
運営委員会は、委員九人以内並びに機構の理事長及び理事をもって組織する。
2
運営委員会に委員長一人を置き、委員のうちから、委員の互選によってこれを定める。
3
委員長は、運営委員会の会務を総理する。
4
運営委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。
(委員の任命)
第九十三条
委員は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業、金融、法律又は会計に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、機構の理事長が経済産業大臣の認可を受けて任命する。
(委員の任期)
第九十四条
委員の任期は、二年とする。
ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2
委員は、再任されることができる。
(委員の解任)
第九十五条
機構の理事長は、委員が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、経済産業大臣の認可を受けて、その委員を解任することができる。
-
一
破産手続開始の決定を受けたとき。
-
二
拘禁刑以上の刑に処せられたとき。
-
三
心身の故障のため職務を執行することができないと認められるとき。
-
四
職務上の義務違反があるとき。
(議決の方法)
第九十六条
運営委員会は、委員長又は第九十二条第四項に規定する委員長の職務を代理する者のほか、委員並びに機構の理事長及び理事の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2
運営委員会の議事は、出席した委員並びに機構の理事長及び理事の過半数をもって決する。
可否同数のときは、委員長が決する。
(委員の秘密保持義務)
第九十七条
委員は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
委員がその職を退いた後も、同様とする。
2
委員は、その職務に関して知り得た情報を、機構の業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
委員がその職を退いた後も、同様とする。
(委員の地位)
第九十八条
委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四節 役員等
(役員)
第九十九条
機構に、役員として理事長一人、理事七人以内及び監事一人を置く。
(役員の職務及び権限)
第百条
理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2
理事は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3
監事は、機構の業務を監査する。
4
監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、運営委員会、理事長又は経済産業大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第百一条
理事長及び監事は、経済産業大臣が任命する。
2
理事は、理事長が経済産業大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第百二条
役員の任期は、二年とする。
ただし、役員が欠けた場合における補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2
役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第百三条
次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
-
一
政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
-
二
拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
-
三
この法律の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
(役員の解任)
第百四条
経済産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号のいずれかに該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
2
経済産業大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が第九十五条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときその他役員たるに適しないと認めるときは、第百一条の規定の例により、その役員を解任することができる。
(役員の兼職禁止)
第百五条
役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
ただし、経済産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(監事の兼職禁止)
第百六条
監事は、理事長、理事、運営委員会の委員又は機構の職員を兼ねてはならない。
(代表権の制限)
第百七条
機構と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。
この場合においては、監事が機構を代表する。
(代理人の選任)
第百八条
理事長は、機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第百九条
機構の職員は、理事長が任命する。
(役員等の秘密保持義務等)
第百十条
第九十七条及び第九十八条の規定は、機構の役員及び職員について準用する。
第五節 業務
(業務の範囲)
第百十一条
機構は、第七十七条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
-
一
化石燃料賦課金の徴収に係る事務
-
二
特定事業者排出枠の割当て及び入札の実施に関する業務
-
三
特定事業者負担金の徴収に係る事務
-
四
法人等保有口座の開設、法人等保有口座名義人に係る事項の記録の変更、脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替及び排出枠口座簿に記録されている事項を証明した書面の交付に関する業務
-
五
脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当て、脱炭素成長型投資事業者排出枠の量の通知、脱炭素成長型投資事業者排出枠の償却、未償却相当負担金及び延滞金の徴収並びに法人等保有口座に係る記録の訂正等に係る事務
-
六
脱炭素成長型投資事業者に対する脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引(イにおいて「排出枠取引」という。)の機会の提供に関する次に掲げる業務
イ
排出枠取引を行うための市場(第百十三条第三項第一号において「排出枠取引市場」という。)の設置及び運営
ロ
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動に係る指標等の情報の提供
-
七
脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引価格の調整のための脱炭素成長型投資事業者排出枠の買入れに関する業務
-
八
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動(以下「対象事業活動」という。)を行う者に対する次に掲げる業務
イ
対象事業活動を行う者の発行する社債及び資金の借入れに係る債務の保証
ロ
対象事業活動に必要な資金の出資
ハ
対象事業活動を行う者の発行する社債の引受け
ニ
対象事業活動に関する専門家の派遣
ホ
対象事業活動に関する必要な助言
-
九
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に資する投資その他の事業活動に関する調査研究、知識の普及及び啓発並びに当該事業活動を担う人材の養成及び資質の向上に関する業務
-
十
前各号に掲げる業務に附帯する業務
2
機構は、前項各号に掲げる業務のほか、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に資するため、資源の有効な利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)第二十三条第三項に規定する助言を行うことができる。
3
機構は、前二項に規定する業務のほか、経済産業大臣の認可を受けて、その目的を達成するために必要な業務を行うことができる。
(業務の委託)
第百十二条
機構は、経済産業大臣の認可を受けて、前条第一項各号に掲げる業務の一部を委託することができる。
(業務方法書)
第百十三条
機構は、業務開始の際、業務方法書を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
2
前項の業務方法書には、業務及びその執行に関する事項その他の経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
3
前項の業務及びその執行に関する事項には、次に掲げる事項が含まれていなければならない。
-
一
排出枠取引市場における脱炭素成長型投資事業者排出枠の売買取引(以下この項及び第百十六条第二項において「売買取引」という。)を行うことができる者に関する事項
-
二
売買取引の方法に関する事項
-
三
公正な売買取引を確保するために必要な措置に関する事項
-
四
売買取引の決済に関する事項
(機構が従うべき排出枠取引機会提供実施基準)
第百十四条
経済産業大臣は、機構が第百十一条第一項第六号に掲げる業務を実施する際に従うべき基準(以下この条において「排出枠取引機会提供実施基準」という。)を定めるものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定により排出枠取引機会提供実施基準を定めたときは、これを公表するものとする。
3
前項の規定は、排出枠取引機会提供実施基準の変更について準用する。
(機構が従うべき調整実施基準)
第百十五条
経済産業大臣は、第百十一条第一項第七号に掲げる業務の実施に当たって機構が従うべき基準(以下この条並びに第百十七条第二項及び第四項において「調整実施基準」という。)を定めるものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定により調整実施基準を定めるときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
3
経済産業大臣は、第一項の規定により調整実施基準を定めたときは、これを公表するものとする。
4
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造への移行の状況及び経済事情の変動により必要が生じたときは、調整実施基準を変更するものとする。
5
第二項及び第三項の規定は、前項の規定による調整実施基準の変更について準用する。
(調整基準取引価格)
第百十六条
経済産業大臣は、毎年度、当該年度の開始前に、脱炭素成長型投資事業者排出枠につき、調整基準取引価格を定めなければならない。
2
調整基準取引価格は、一定期間以上継続して平均売買取引価格(売買取引の価格の平均額として経済産業省令で定める方法により算出される額をいう。次条第一項において同じ。)がその額を下回った場合にこれによる脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する脱炭素成長型投資事業者の投資その他の事業活動に及ぼす影響を緩和するため、売買取引の価格を調整することが必要となると認められる二酸化炭素の排出量一トンに相当する脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引価格として、当該事業活動を誘導する脱炭素成長型投資事業者排出枠の取引価格の水準、二酸化炭素の排出に係る国内外の経済動向その他の事情を勘案して、経済産業大臣が定めるものとする。
3
第三十九条第二項から第五項までの規定は、調整基準取引価格について準用する。
(脱炭素成長型投資事業者排出枠の買入れの決定)
第百十七条
機構は、平均売買取引価格が調整基準取引価格を下回る場合には、脱炭素成長型投資事業者排出枠を買い入れることができる。
この場合において、機構は、あらかじめ、経済産業大臣から脱炭素成長型投資事業者排出枠の振替を行うための法人等保有口座の開設を受けなければならない。
2
機構は、脱炭素成長型投資事業者排出枠を買い入れるときは、あらかじめ、調整実施基準に従って、脱炭素成長型投資事業者排出枠の買入量を決定しなければならない。
3
機構は、脱炭素成長型投資事業者排出枠を買い入れるかどうかを決定するときは、あらかじめ、経済産業大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
4
機構は、調整実施基準に従い、第一項の規定により買い入れた脱炭素成長型投資事業者排出枠を脱炭素成長型投資事業者に対し、売り渡すものとする。
(機構が従うべき支援基準)
第百十八条
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略に基づき、対象事業活動支援(機構が第百十一条第一項第八号イからハまでに掲げる業務により対象事業活動を行う者に対して行う支援をいう。以下同じ。)の対象となる事業者及び当該対象事業活動支援の内容を決定するに当たって機構が従うべき基準(以下この条及び次条第一項において「支援基準」という。)を定めるものとする。
2
経済産業大臣は、前項の規定により支援基準を定めるときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。
3
経済産業大臣は、第一項の規定により支援基準を定めたときは、これを公表するものとする。
4
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造への移行の状況及び経済事情の変動により必要が生じたときは、支援基準を変更するものとする。
5
第二項及び第三項の規定は、前項の規定による支援基準の変更について準用する。
(対象事業活動支援の決定)
第百十九条
機構は、対象事業活動支援を行うときは、あらかじめ、支援基準に従って、その対象となる事業者及び当該対象事業活動支援の内容を決定しなければならない。
2
機構は、対象事業活動支援を行うかどうかを決定するときは、あらかじめ、経済産業大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
ただし、対象事業活動支援に係る債務の保証をする額が一定の額以下である場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。
3
機構は、前項ただし書に規定する場合において、対象事業活動支援を行う旨の決定を行ったときは、速やかに、経済産業大臣にその旨及びその内容を報告しなければならない。
(対象事業活動支援の決定の撤回)
第百二十条
機構は、次に掲げる場合には、速やかに、対象事業活動支援の決定を撤回しなければならない。
-
一
対象事業活動支援の対象である事業者が対象事業活動を行わないとき。
-
二
対象事業活動支援の対象である事業者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定を受けたとき。
2
機構は、前項の規定により対象事業活動支援の決定を撤回したときは、直ちに、当該対象事業活動支援の対象である事業者に対し、その旨を通知しなければならない。
第六節 財務及び会計
(事業年度)
第百二十一条
機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(予算等の認可)
第百二十二条
機構は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
2
経済産業大臣は、前項の認可をするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(財務諸表等)
第百二十三条
機構は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他経済産業省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に経済産業大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2
機構は、前項の規定により財務諸表を経済産業大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3
機構は、第一項の規定による経済産業大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、経済産業省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
(区分経理)
第百二十四条
機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
-
一
第百十一条第一項第一号及び第三号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
-
二
第百十一条第一項第二号及び第四号から第六号までに掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
-
三
第百十一条第一項第七号に掲げる業務及びこれに附帯する業務
-
四
第百十一条第一項第八号及び第九号に掲げる業務並びに同条第二項及び第三項に規定する業務並びにこれらに附帯する業務
(利益及び損失の処理)
第百二十五条
機構は、前条各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定(以下この条において「各業務勘定」という。)において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失を埋め、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2
機構は、各業務勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3
機構は、予算をもって定める額に限り、各業務勘定における第一項の規定による積立金を当該各業務勘定に係る業務に要する費用に充てることができる。
4
機構は、政令で定める事業年度(第二号及び第三号において「中間事業年度」という。)に係る第一項又は第二項の規定による整理を行った後、第一号及び第二号に掲げる金額の合計額から第三号に掲げる金額を控除してなお残余があるときは、政令で定めるところにより、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
-
一
第一項の規定による積立金の額に相当する金額
-
二
中間事業年度以前において第八十条第三項の規定による出資を受けた額から第百十一条第一項第八号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に要する費用に充てられた額を控除して得た額に相当する金額
-
三
中間事業年度の翌事業年度以降において各業務勘定に係る業務に要すると見込まれる費用として経済産業大臣の承認を受けた金額
5
経済産業大臣は、前項第三号の承認をするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(借入金及び脱炭素成長型経済構造移行推進機構債)
第百二十六条
機構は、経済産業大臣の認可を受けて、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は脱炭素成長型経済構造移行推進機構債(以下この条及び第百二十八条において「機構債」という。)の発行(機構債の借換えのための発行を含む。)をすることができる。
この場合において、機構は、機構債の債券を発行することができる。
2
経済産業大臣は、前項の認可をするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
3
第一項の規定による借入金の現在額及び同項の規定により発行する機構債の元本に係る債務の現在額の合計額は、政令で定める額を超えることとなってはならない。
4
第一項の規定による機構債の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5
前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6
機構は、経済産業大臣の認可を受けて、機構債の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7
会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8
第一項、第二項及び第四項から前項までに定めるもののほか、機構債に関し必要な事項は、政令で定める。
(交付金)
第百二十七条
政府は、予算の範囲内において、機構に対し、第百十一条第一項第一号から第六号までに掲げる業務に要する費用に相当する金額を交付するものとする。
(政府保証)
第百二十八条
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の第百二十六条第一項の借入れ又は機構債に係る債務の保証をすることができる。
(余裕金の運用)
第百二十九条
機構は、次に掲げる方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
-
一
国債その他経済産業大臣の指定する有価証券の保有
-
二
経済産業大臣の指定する金融機関への預金
-
三
その他経済産業省令で定める方法
(経済産業省令への委任)
第百三十条
この法律に定めるもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
第七節 監督
(監督)
第百三十一条
機構は、経済産業大臣が監督する。
2
経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関して監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第百三十二条
経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に機構の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2
前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第八節 雑則
(定款の変更)
第百三十三条
定款の変更は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(解散)
第百三十四条
機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額を限度として分配するものとする。
2
前項に規定するもののほか、機構の解散については、別に法律で定める。
第七章 雑則
(報告の徴収)
第百三十五条
経済産業大臣は、第四章第一節の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、化石燃料採取者等(採取受託者を含む。以下この項及び次条第一項において同じ。)又はその化石燃料採取者等とその業務に関して関係のある事業者に対し、その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
2
経済産業大臣は、第三十四条第一項並びに第三十六条第一項及び第二項(これらの規定を第四十四条の規定により適用する場合を含む。)の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、その事業活動に伴い二酸化炭素の排出をする者に対し、その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
3
経済産業大臣は、第六十七条から第六十九条までの規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、登録確認機関又はその登録確認機関とその業務に関して関係のある事業者に対し、その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。
4
経済産業大臣は、第二項の規定により報告をさせ、又は資料の提出をさせるときは、あらかじめ、当該者の行う事業活動に係る事業所管大臣にその旨を通知するものとする。
(立入検査)
第百三十六条
経済産業大臣は、第四章第一節の規定を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、化石燃料採取者等又はその化石燃料採取者等とその業務に関して関係のある事業者の事業場その他その業務に関係のある場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2
経済産業大臣は、第三十四条第一項並びに第三十六条第一項及び第二項(これらの規定を第四十四条の規定により適用する場合を含む。)の規定を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、その事業活動に伴い二酸化炭素の排出をする者の工場又は事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3
経済産業大臣は、第六十七条から第六十九条までの規定を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録確認機関又はその登録確認機関とその業務に関して関係のある事業者の事務所又は事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
4
前三項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
5
経済産業大臣は、必要があると認めるときは、機構に、第一項から第三項までの規定による立入検査を行わせることができる。
6
経済産業大臣は、前項の規定により機構に立入検査を行わせる場合には、機構に対し、当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
7
機構は、前項の規定による指示に従って第五項の規定により立入検査を行ったときは、その結果を経済産業大臣に報告しなければならない。
8
第五項の規定により機構の職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
9
第一項から第三項まで及び第五項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
10
経済産業大臣は、その職員に第二項の規定による立入検査をさせるとき又は機構に第五項の規定により第二項の規定による立入検査を行わせるときは、あらかじめ、当該者の行う事業活動に係る事業所管大臣にその旨を通知するものとする。
(環境大臣との関係)
第百三十七条
経済産業大臣は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策の実施に当たり、当該施策の実施が環境の保全に関する施策に関連する場合には、環境大臣と緊密に連絡し、及び協力して行うものとする。
(経済産業省令への委任)
第百三十八条
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な事項は、経済産業省令で定める。
(経過措置)
第百三十九条
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(主務省令)
第百四十条
この法律において主務省令は、経済産業大臣及び脱炭素成長型投資事業者が行う事業活動に係る事業所管大臣の発する命令とする。
第八章 罰則
第百四十一条
第九十七条第一項又は第二項(これらの規定を第百十条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
第百四十二条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
-
一
第十八条第一項の申告書について、虚偽の記載をしたとき。
-
二
第十八条第二項又は第五項の規定に違反して、正当な理由がなくて第二十条第二項の規定により発する督促状に指定する期限までに納付すべき化石燃料賦課金を納付しないとき。
-
三
第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第百四十一条の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき。
-
四
第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
-
五
第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による物件の提示若しくは提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件を提示し、若しくは提出したとき。
-
六
第百三十五条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
-
七
正当な理由がなくて第百三十六条第一項の規定による検査(同条第五項の規定により機構が行うものを含む。)を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第百四十三条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
-
一
第十六条若しくは第十七条又は第三十三条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
-
二
第四十三条(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)において準用する第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき。
-
三
第四十三条(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)において準用する第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
-
四
第四十三条(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)において準用する第二十三条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による物件の提示若しくは提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件を提示し、若しくは提出したとき。
-
五
第三十五条第一項(第四十四条の規定により適用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
-
六
第四十八条第三項の規定による申請書又は同条第四項の規定によりこれに添付すべき書類に虚偽の記載をして提出したとき。
-
七
第六十九条の規定による業務の停止の命令に違反したとき。
第百四十四条
第百三十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
第百四十五条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
-
一
第六十五条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
-
二
第七十条の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
-
三
第百三十五条第二項又は第三項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
-
四
第百三十六条第二項又は第三項の規定による検査(同条第五項の規定により機構が行うものを含む。)を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第百四十六条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百四十二条、第百四十三条又は前条に掲げる違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第百四十七条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
-
一
この法律により経済産業大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
-
二
第八十二条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
-
三
第百十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
-
四
第百十七条第三項又は第百十九条第二項の規定に違反して経済産業大臣に通知をしなかったとき。
-
五
第百二十三条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
-
六
第百二十九条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
-
七
第百三十一条第二項の規定による経済産業大臣の命令に違反したとき。
第百四十八条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二十万円以下の過料に処する。
-
一
第四十九条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
-
二
第六十六条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項の規定による請求を拒んだとき。
-
三
第七十三条第一項の規定に違反して、移行計画を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
-
四
第八十一条第二項の規定に違反したとき。
附 則
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
-
一
附則第十条の規定
公布の日
-
二
第十三条、第十八条、第五章及び第七章並びに附則第四条から第九条まで、第十二条から第十五条まで及び第十七条の規定
公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日
(経過措置)
第二条
一般会計の負担に属する公債のうち、額面金額の合計額が一兆千三十四億四千六百三十五万円に相当する公債(財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成二十四年法律第百一号)第三条第一項の規定により発行されたものに限る。)であって政令で定めるものに関する権利義務は、この法律の施行の日において、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に帰属する。
2
前項の規定により権利義務がエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に帰属した公債については、脱炭素成長型経済構造移行債とみなす。
3
令和六年度における特別会計に関する法律第四十二条第二項に規定する繰入金額の算定については、同項に規定する国債の総額から第一項に規定する金額を控除するものとする。
第三条
この法律の施行の際一般会計に所属する権利義務であって、次に掲げるものは、政令で定めるところにより、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に帰属するものとする。
-
一
令和四年度の一般会計補正予算(第2号)(以下この条において「令和四年度第二次補正予算」という。)に計上された費用のうち脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に要する費用(以下この条において「脱炭素成長型経済構造移行費用」という。)に関する権利義務(財政法第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定により繰り越して使用することとされたものに関する権利義務を除く。)
-
二
財政法第十五条第一項又は第二項の規定により国が負担した債務のうち脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に係る事業に関するもの(当該債務を負担する行為により支出すべき費用について同法第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定により繰り越して使用することとされたものに関する債務を除く。)
2
令和四年度第二次補正予算に計上された脱炭素成長型経済構造移行費用に関する経費であって、財政法第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定により繰越しをしたものについて、令和五年度以降、不用となった金額又は国に返納された金額(以下この項において「不用額等」という。)がある場合には、当該不用額等があった年度の翌々年度までに、当該不用額等(返納の際に当該金額に延滞利息又は加算金が付されている場合には、これらの金額を含む。)を、一般会計からエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に繰り入れるものとする。
3
令和四年度第二次補正予算に脱炭素成長型経済構造移行費用として計上された額が当該額に係る支出済歳出額及び翌年度繰越額の合計額を上回る場合には、予算で定めるところにより、令和六年度までにその上回る額を、一般会計からエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に繰り入れるものとする。
4
令和四年度第二次補正予算に計上された費用のうち脱炭素成長型経済構造移行費用(第一項の規定により同項に掲げる権利義務がエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に帰属したものに限る。)についての特別会計に関する法律第八十五条第三項第一号の規定の適用については、同号中「経済産業大臣又は環境大臣」とあるのは、「文部科学大臣、経済産業大臣又は環境大臣」とする。
第四条
附則第一条第二号に掲げる規定の施行の際現にその名称中に脱炭素成長型経済構造移行推進機構という文字を用いている者については、第二十四条第二項の規定は、同号に掲げる規定の施行後六月間は、適用しない。
第五条
刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)の施行の日(附則第九条において「刑法施行日」という。)の前日までの間に禁錮以上の刑に処せられた者については、これを拘禁刑に処せられた者とみなして、第三十条第三号、第三十八条第二号、第四十六条第二号及び第四十七条第一項の規定を適用する。
第六条
機構は、別に法律で定める日の前日までの間は、第百十一条第一項第二号、第三号及び第十号(同項第二号及び第三号に係る部分に限る。)に規定する業務を行わないものとする。
この場合において、第百四十七条の規定の適用については、同条第三号中「第百十一条」とあるのは、「第百十一条第一項第一号、第四号から第九号まで及び第十号(同項第一号及び第四号から第九号までに係る部分に限る。)並びに第二項及び第三項」とする。
第六条の二
政府は、令和十五年三月三十一日までの間、第百十一条第一項第七号に掲げる業務に必要な資金に充てるため必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
2
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
3
機構は、第百二十四条第三号に掲げる業務に係る勘定において、第百十七条第一項の規定により買い入れた脱炭素成長型投資事業者排出枠であって、第一項の規定による出資により払い込まれた金銭をその買入れに必要な資金に充てたものを全て売り渡した日の属する事業年度(第三号において「売渡終了年度」という。)に係る第百二十五条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、第一号及び第二号に掲げる金額の合計額から第三号に掲げる金額を控除してなお残余があるときは、政令で定めるところにより、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
-
一
第百二十五条第一項の規定による積立金の額に相当する金額
-
二
令和十五年三月三十一日以前において第一項の規定による出資を受けた額から第百二十四条第三号に係る業務に要する費用に充てられた額を控除して得た額に相当する金額
-
三
売渡終了年度の翌事業年度以降において第百二十四条第三号に係る業務に要すると見込まれる費用として経済産業大臣の承認を受けた金額
4
経済産業大臣は、前項第三号の承認をするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
第七条
機構の最初の事業年度は、第六十条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わるものとする。
第八条
機構の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第六十一条第一項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「機構の成立後遅滞なく」とする。
第九条
刑法施行日の前日までの間における第七十六条の規定の適用については、同条中「拘禁刑」とあるのは、「懲役」とする。
刑法施行日以後における刑法施行日前にした行為に対する同条の規定の適用についても、同様とする。
(政令への委任)
第十条
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第十一条
政府は、国及び事業者の相互の密接な連携による脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資その他の事業活動の実施状況、二酸化炭素の排出に係る国内外の経済動向その他の事情を勘案しつつ、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策の在り方について、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の実施状況を踏まえて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2
政府は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を推進する観点から、前項の規定による検討とともに、第十四条及び第十九条の規定に基づき、特定事業者排出枠並びに化石燃料賦課金及び特定事業者負担金に係る制度を実施する方法について、特定事業者排出枠に係る取引を行う市場の本格的な稼働のための具体的な方策を含めて検討を加え、それらの結果に基づいて、この法律の施行後二年以内に、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則
(施行期日)
第一条
この法律は、令和八年四月一日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
-
一
附則第四条、第五条及び第七条から第九条までの規定
公布の日から起算して十日を経過した日
-
二
附則第六条、第十四条(登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第百十九号の二の次に次のように加える改正規定及び同法別表第三の十六の項の改正規定に限る。)及び第十五条の規定
公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日
(化石燃料賦課金に関する経過措置)
第二条
事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号)の施行の日の前日までの間における第一条の規定による改正後の脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(以下「新法」という。)第十二条第三項の規定の適用については、同項中「、企業価値担保権の実行手続又は」とあるのは、「又は」とする。
第三条
この法律の施行の際現に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律第二条第三項に規定する原油等の採取をし、又は保税地域(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。)から引取りをしている事業者(新法第十三条第一項に規定する採取受託者を含み、同項に規定する採取委託者を除く。)は、令和十年三月三十一日までに、新法第十六条各号(第二号を除く。)に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
2
前項の規定による届出をした者は、その届出をした日において新法第十六条の規定による届出をしたものとみなす。
3
第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、その違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
4
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
(令和八年度に係る参考上限取引価格等に関する経過措置)
第四条
令和八年度に係る新法第三十九条第一項に規定する参考上限取引価格についての同項の規定の適用については、同項中「毎年度、当該年度の開始前に」とあるのは、「令和八年四月一日において」とする。
2
令和八年度に係る新法第百十六条第二項に規定する調整基準取引価格についての同条第一項の規定の適用については、同項中「毎年度、当該年度の開始前に」とあるのは、「令和八年四月一日において」とする。
(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律の一部改正に伴う準備行為)
第五条
経済産業大臣は、新法第三十二条第一項に規定する実施指針を定めるため、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、同条第五項に規定する事業所管大臣及び環境大臣に協議するとともに、産業構造審議会の意見を聴くことができる。
2
経済産業大臣は、新法第三十九条第一項に規定する参考上限取引価格及び新法第百十六条第二項に規定する調整基準取引価格を定めるため、施行日前においても、産業構造審議会の意見を聴くことができる。
第六条
新法第六十条第一項の規定による登録を受けようとする者は、施行日前においても、新法第五十八条の規定の例により、その申請を行うことができる。
新法第六十四条第一項の規定による業務規程の届出についても、同様とする。
2
経済産業大臣は、前項の規定による登録の申請があった場合には、施行日前においても、新法第五十九条、第六十条第一項及び第二項並びに第七十二条(第一号に係る部分に限る。次項において同じ。)の規定の例により、その登録及び公示をすることができる。
3
前項の規定による登録及び公示は、施行日において、経済産業大臣が行った新法第六十条第一項及び第二項の規定による登録並びに新法第七十二条の規定による公示とみなす。
第七条
新法第七十七条に規定する脱炭素成長型経済構造移行推進機構(次項において「機構」という。)は、施行日前においても、新法第百十一条第一項第一号、第四号から第七号まで及び第十号(同項第一号及び第四号から第七号までに係る部分に限る。)に掲げる業務の実施のために必要な準備行為をすることができる。
2
前項の規定により機構が行う業務は、第一条の規定による改正前の脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(以下この項において「旧法」という。)第七十八条(第三号に係る部分に限る。)の規定の適用については、旧法第五十四条に規定する業務とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第八条
この法律(附則第一条第一号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第九条
附則第二条から前条まで及び第十五条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第十条
政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第十一条
政府は、前条の規定による検討とともに、新法第三十一条の規定に基づき、次に掲げる措置について検討を加え、その結果に基づいて、この法律の施行後五年以内に、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
-
一
新法第二十九条第一項の入札による新法第二十七条第一項に規定する特定事業者排出枠の効果的な割当てのための措置及び新法第二条第六項に規定する特定事業者負担金を納付しない同条第五項に規定する特定事業者に対する措置その他同条第六項に規定する特定事業者負担金を確実に徴収するための措置
-
二
新法第二条第六項に規定する化石燃料賦課金の賦課と同項に規定する特定事業者負担金の賦課とを適切に調整するための措置
2
政府は、前項の規定により同項第一号に掲げる措置を講ずるに当たっては、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律第三条に規定する中長期的なエネルギーに係る負担の抑制の状況、同法第八条第一項の規定による新法第八条第二項に規定する脱炭素成長型経済構造移行債等の償還の状況及び新法第三十四条第一項に規定する脱炭素成長型投資事業者のうち電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十五号に規定する発電事業者による新法第三十二条第一項に規定する脱炭素成長型投資事業者排出枠の保有の状況を、前項の規定により同項第二号に掲げる措置を講ずるに当たっては、新法第二条第六項に規定する化石燃料賦課金の徴収の実施の状況及び前項第一号に掲げる措置についての検討の状況を、それぞれ踏まえるものとする。
第十二条
政府は、新法第七条第一項の規定により発行する公債の発行収入金による令和十五年度以降の年度に係る同項に規定する法人税に係る租税収入の減少額の補塡の在り方について、当該補塡に要する費用の見通し及び脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律第二条第一項に規定する脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資その他の事業活動の実施状況を踏まえて検討を加え、その結果に基づいて、この法律の施行後五年以内に、必要な法制上の措置を講ずるものとする。